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EURO2016 8年前

イタリア代表がEUROを通じて辿り着いた“答え”。次世代に継承される新たなコンテ・スタイル

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

イタリアが見せた唯一のほころび

 そんな彼らに対しても、イタリアは開始から40分過ぎまでろくに決定機を作らせなかった。だが拮抗した試合は、たったひとつのほころびが致命的になってしまう。後半20分の失点シーンがそれだ。

 ドイツのゴールキックで、これまで中央に張っていたマリオ・ゴメスが左サイドに開き、アレッサンドロ・フロレンツィとのミスマッチを狙った。そこにマヌエル・ノイアーから正確なキックが飛ぶ。

 オフサイド気味ではあったが、ともかく競り勝ったゴメスはそのまま左サイドでボールをキープし、フロレンツィを引き付けて裏にパス。すると中へ走りこんできたヨナス・ヘクターには、フロレンツィの代わりに誰もカバーが入っていなかった。

 さらには、その折り返しに反応するメスト・エジルにも人が付き遅れる。この大会でのイタリアの失点はレアだが、このようにマークの受け渡しがずれて崩されるシーンを作られたこと自体もほとんどなかった。

 しかしドイツにはそれを許したわけで、勝負強さという点で上を行かれたということになる。

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