簡単ではなかった“初勝利”。指揮官は満足せず
ドイツ代表は、未だかつてW杯とEUROでイタリア代表に勝利したことがなかった。過去の戦績は、土壇場で選手のメンタリティにことの他、響いてくるのかもしれない。
77分。フロレンツィがキエッリーニを目掛けたクロスを、エリア内でボアテングが手を上げて防いでしまう。
78分、ボヌッチがPKをしっかり決めた。1-1。
“初勝利”を遂げることは、簡単ではないのだ。試合は延長でも決着が付かず、PK戦に突入する。
フンメルスは「ペナルティスポットまでの道のりは長かった」と振り返る。
イタリア代表は9人目のダルミアンが外し、ドイツ代表は9人目のヘクトルが決めて、延々と続いた死闘に終止符が打たれた。
ドイツ代表がイタリア代表を下して、準決勝に駒を進めた。そして指揮官は満足していない。
「トーナメントはまだ終わっていない。さらにまだ続く」
EUROを制覇してこそ、“初勝利”の味に酔うことができる。4年前は準決勝で敗退してタイトルを逃したレーブの飢えが、衰えることはない。
(文:本田千尋)
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