ゲームの均衡が崩れた55分。イタリアがもらった3連続イエロー
相手の中盤には、スピードに乗って飛び出してくるジャッケリーニという厄介な存在もいる。左右両ウイングバックも含めて5バックを取らざるを得ないのは、なおのことだった。
16分という時間帯にケディラがシュバインシュタイガーと負傷交代したことも、前半を慎重に戦わざるを得なかった一因だろう。シュバインシュタイガーの調子は悪くはなかったが、不用意な交代をきっかけにバランスを崩し、間隙を突かれることは避けなければならない。
26分にはジャッケリーニをヘーヴェデスとキミッヒの2人で潰し、29分にはペレとエデルのワンツーに、ボアテングとヘーヴェデスが対処するなど、ドイツ代表は冷静に前半を戦った。
3バック同士が、がっぷり四つに組んだゲームの均衡が崩れ始めたのは、55分が過ぎた頃のことだ。後半に入ると攻勢を強めたドイツ代表の両ウイングバックが高い位置を取る中、イタリア代表が立て続けに3枚のイエローカードを貰う。
56分、ストゥラーロ。57分、デシーリオ。59分、パローロ。アズーリが軋みだしていた。デ・ロッシ不在のイタリア代表は、アタックとリトリートを繰り返しながら、中盤で休む時間を作ることができない。着実に疲労は蓄積していく。
そして65分。ボアテングからのロングボールを、フロレンツィがクリアミスする。ゴメスとヘクトルが左サイドを崩して、最後は中央でエジルが押し込んだ。1-0。
その後はドイツ代表に流れが傾き、引き気味になると、イタリア代表はなかなか崩せない展開が続いた。
このまま1-0で試合が終わり、ドイツ代表がアズーリのお株を奪うかに思われた。しかし、イタリア代表はしぶとさを見せる。
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