南ア代表監督を驚かせた「ディシプリン」
リオデジャネイロ五輪でメダル獲得を目指すU-23日本代表は29日、国内最後の強化試合として組まれたU-23南アフリカ代表戦に4-1で勝利を収めた。
前半早々にPKで南アフリカに先制を許した日本だったが、その後は主導権を握り返して怒涛のゴールラッシュ。前半のうちに逆転して3-1とすると、後半にも1点を加えて“仮想ナイジェリア”の対戦相手を粉砕している。
南アフリカにとって決して良い結果ではなかった試合後にもかかわらず、記者会見に臨んだオーウェン・ダガマ監督は饒舌だった。冒頭で「日本が確実に我々よりよかった。それ以上の言い訳はありません」と完敗を認めると、U-23日本代表へ惜しみない称賛を送った。
「日本代表を見て最も感銘を受けたのはディシプリン(規律)です。そして組織力ですね。ディシプリンは本当に素晴らしく、どんなときもチーム一丸となってコレクティブに戦う姿が、私自身にとっても非常にいい経験になりました
何度か日本代表の試合をテレビで見ましたが、自分の目で見たことが素晴らしい経験になりました。私が指導者としてのキャリアを始めた時、先輩にこう言われました。『サッカーには1にディシプリン、2にディシプリン、3にディシプリンだ』と。そういう点に関して日本の選手や監督、そして関係者の皆さんを称賛したいと思います」
ダガマ監督は日本の「ディシプリン」を手放しで称賛する。1人もチームから逸脱する選手がおらず、集団として高い組織力を実現したU-23日本代表の姿は非常に印象的だったようだ。そしてチームだけでなく個人にも言及している。
「正直に言って13番(中島翔哉)が我々の問題になっていました。彼が深いところにボールを入れてくることが混乱の原因になっていたんです。こちらは18番(デオリン・メコア)になるべく13番をマークするよう指示していましたが、彼(中島)は全く気にしていなかった。今日のMVPだったと思います。本当に素晴らしい選手でした」
負傷から復帰したばかりにもかかわらず先発出場で2得点という目に見える結果を残した中島のプレーが、ゴール以外の面でも南アフリカの脅威になっていたのは確かだ。ディフェンスラインの裏をとる動きや、相手の選手間にできたスペースに走り込んでボールを受けるプレーで対峙する選手たちをたやすく翻弄していた。