背番号に“ストーリー”を持たせている鹿島
背番号に“ストーリー”をもたせ、常勝軍団の歴史と伝統を引き継がせている点で、鹿島アントラーズはすべてのJクラブのなかで稀有な存在として位置づけられる。
たとえば、空き番となって7年目を迎えている「2」番。ジョルジーニョから名良橋晃、2010年7月にシャルケへ移籍した内田篤人をへて、現在は右サイドバックの歴史を紡ぐ後継者を待っている。
アントラーズの礎を作った神様ジーコの象徴だった「10」番は、固定背番号制が導入された1997年以降はビスマルク、本山雅志(現ギラヴァンツ北九州)、そして今シーズンから背負う柴崎岳の3人だけにしか託されていない。
川崎フロンターレとのデッドヒートを制し、3連覇を達成した2009シーズン以来、実に7年ぶりにリーグタイトルに絡んだ今シーズンのファーストステージ。フィールドプレーヤーではただ一人、全17試合に先発フル出場した柴崎は、アントラーズの中盤で圧倒的な存在を示し続けた。
そして、柴崎が鳴り物入りで青森山田高校から加入した2011シーズンは、世代交代を推し進めていくうえで欠かせない存在となるプラチナ世代の仲間たちも、アントラーズのユニフォームに袖を通している。
米子北高校から加入した昌子源は昨シーズンから「3」番を託され、秋田豊から岩政大樹へと連なるディフェンスリーダーの系譜に名前を刻んだ。
そしてもう一人、アントラーズユースから昇格した土居聖真はマジーニョやイタリアへ渡る前の小笠原満男、野沢拓也(現ベガルタ仙台)が背負った「8」番を、勝てば無条件でファーストステージ制覇が決まる6月25日のアビスパ福岡戦で光り輝かせた。