スーパースターの多いチームはPK戦に弱い?
たった2選手だけで調査結果から結論を導き出すことはできないが、その他にも重要なPKを外した選手はいる。メッシしかり。スティーヴン・ジェラード、デヴィッド・ベッカム、クラレンス・セードルフ、パオロ・マルディーニ、ディエゴ・マラドーナ、ヤープ・スタム、ディディエ・ドログバ、ロベルト・バッジョ、アンドリー・シェフチェンコ、マルコ・ファン・バステン、ラウール、ジーコ、ミシェル・プラティニ。こんなに大勢いるとは!
「高評価を得ている選手たちに失敗が多く、その失敗はより重大な結果を招きがちだ」とヨルデットは説明した。どの選手が公に最も高い評価を得ているか、または最も周囲の期待が高いかを監督は心得て準備しておくことだ、と彼は勧める。
「なぜならそういう選手たちはパフォーマンスに対して他の選手たち以上にプレッシャーがかかりがちなので、精神的な苦悩や問題に対処できるような心理的メカニズムを教える必要があるからだ」
ヨルデットはまたチームレベルでも同じようなことが起こりうることを発見した。スーパースターをより多く抱えているチームはPK戦でのパフォーマンスがよくない。受賞経験選手が20-50%いるチームのPK成功率は67%だが、そういう選手がまったくいないチームでは86%で、受賞経験選手が1-20%在籍しているチームの成功率は71%である。(続きは『PK 最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』でお楽しみください)
(文:ベン・リトルトン/翻訳:実川元子)