鹿島の未来を担う土居聖真
植田直通、杉本太郎、鈴木優磨ら若手選手の台頭著しい鹿島において、ユース出身の土居聖真はクラブの未来を担うひとりである。
「隙はなかった思いますし、自分たちがミスしなければやられないっていうのはあった」
1stステージ優勝という結果を振り返り、土居はそう語った。福岡戦でもダメ押しとなる2点目を決め、勝利を手繰り寄せている。
そんな土居は、小笠原について「見習うべき選手。いろんなところを盗んでいきたい」と述べていた。しかし、彼も24歳。“若手”という枠からチームの中核を担う存在となっていかなければならない。
「満男さんには満男さんにしかできないことがありますし、僕らが全部真似をしろと言われてできることではないので、僕らは僕らなりの繋ぎ方をしていきたい」
偉大な先輩を称えつつ、土居は伝統のバトンを繋いでいこうという強い意志を持っていたように感じた。
福岡戦は、クラブに15年半在籍した青木剛のラストゲームでもあった。中田浩二、本山雅志らに続いてまたひとりクラブを支えた選手が去っていくことに、小笠原は「オレにのしかかってくるものは多くなる」と話していた。
しかし、先人が積み上げてきた土台は、確かに若手に受け継がれている。1stステージ優勝という結果は彼らにとって通過点に過ぎない。
それでも、今季鹿島が“本当のタイトル”を掲げることができたのならば、その先には栄華を極める時代が再びやってくるのかもしれない。
(取材・文:今関飛駒)
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