“組み合わせの妙”が赤い悪魔を頂点に導くか
それでも、ベルギーにとっての幸運は決勝トーナメントの組み合わせにある。イタリアに敗れて2位通過となった同チームだが、そのおかげで強豪と言われるチーム不在の山に入ることができた。
1回戦は絶不調ポルトガルを抑えたハンガリーであり、準々決勝の対戦相手はウェールズ、準決勝もポーランドとポルトガルの勝者となる。ウェールズは大きなスペースを活用するプレミアリーグ的なスタイルで、ベルギーの選手たちにとってはプレーしやすい相手だろう。
準決勝まで進むことができれば、チームにも勢いと自信が増すはずだ。ポーランドとポルトガルはどちらも堅守速攻型の強敵だが、戦力値を見れば悲観するほどの相手ではない。
ベルギーにとって今大会の組み合わせは、チームが成長し、自信を増していくには最高のものとなった。若く今なお成長段階にあるチームが“組み合わせの妙”によって頂点に導かれるのか。今サッカー界で最も勢いのある“赤い悪魔”の行く末に注目したい。
(文:Keiske Horie)
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