打ち合いにはめっぽう強いタレント集団
ベルギー代表の豪華陣容は今さら多くを説明するまでもないだろう。前線にはアザールに加えてロメル・ルカク、ケビン・デブライネ、ドリース・メルテンス、ヤニック・フェレイラ・カラスコらを擁し、中盤にもマルアン・フェライニ、アクセル・ヴィツェル、ナインゴランらを抱えている。さらには守護神にはティボー・クルトワが構える盤石ぶりだ。
ベルギーは打ち合いの展開になれば、無敵と言っても良い強さを誇る。若く今をときめくタレント集団である彼らは、創造性、運動量、インテンシティの全てを兼ね備えている。現在、大会最多の通算8ゴールを決めているという数字が示す通り、EURO2016で最も攻撃力の高いチームだ。
それでも初戦のイタリア戦で浮き彫りとなったように、スペースを消された際の崩しの仕組みには不安を抱えている。良い意味でも悪い意味でも“若い”チームであることは事実で、また指揮官であるマルク・ヴィルモッツ監督もヨアヒム・レーブ監督(ドイツ)、アントニオ・コンテ監督(イタリア)、ビセンテ・デル・ボスケ監督(スペイン)といった名将たちに比べれば実力不足は否めない。
ベルギーは明確な戦術コンセプトも持っておらず、現状は強力な選手を並べている以上の特別な連動は見いだせていない状況だ。
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