決勝点を生んだベイルの貢献
ウェールズ代表の勝利に貢献したベイル【写真:Getty Images】
グループステージ3試合の同エリアでの割合を見ると、スロバキア戦が69.49%、イングランド戦が49.15%、ロシア戦が69.23%であり、北アイルランドに対して中央でのプレーに苦しんでいたことがわかる。
しかし、北アイルランドは立ち上がりから厳しいプレスを仕掛け、さらにベイルが左右に動くことでスタミナが削られ、後半に入ると徐々にウェールズが攻撃を展開させる状況となっていく。
57分には左サイドのラムジーから逆サイドのクリス・グンターへのサイドチェンジから、右に流れたベイルへボールが回ると、北アイルランドのオリバー・ノーウッドがたまらずファウル。ペナルティエリア手前の絶好の位置でFKを得た。
初戦のスロバキア戦、続くイングランド戦と見事な直接FKを叩き込んできたベイルだけに期待は高まったが、これはGKに弾かれゴールは決まらず。それでも、この一連の流れはこれまでベイルに見せ場が無かったウェールズにとって突破口となり得るものだった。
そして70分を超えると、ベイルが左サイドの深い位置まで攻め込む姿が増え、75分にはラムジーからパスを受けたベイルのクロスを北アイルランドのギャレス・マコーリーがオウンゴール。ウェールズが1点を手にした。
ただ、マコーリーにこのオウンゴールの責任はない。全力でプレーし、チャレンジした結果なので批判はできない。それよりも、クリアボールの流れからペナルティエリア手前でボールを受けたラムジーに対して前半のようなプレスを仕掛けることができず、広大なスペースを与えてしまったことが北アイルランドにとって悔やまれる結果となった。
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