EUROは英国勢4ヶ国が揃い踏みで歴史的事件に!?
やむなき事情でほんの数日TV生観戦が叶わず、翌日の夕刊にて“最後の砦”アイルランドが決勝トーナメント進出を果たした事実を知ったときの感動たるや・・・・などという私的感慨はさておき、おかげで我らが英国圏勢4ヶ国が見事“揃踏み”したからには、これはもう「初出場5チームのうち4つまでが予想外の通過」を果たした以上の歴史的事件と言ってはばからない。
なんとなれば、アイルランドは持前の“反骨の牙”が鈍ったかのように瀕死寸前だった。それを見越して、早々と次ラウンド進出を決めていたイタリアにメンバーを落としたツケが回ったという見方もできる。が、結果的にディフェンディングチャンピオン、スペインとの対決を強いられることになったとすれば、やはり大誤算だろう。
補足しておくなら、もしアイルランド同様に空回り模様だったポルトガルが、三度劣勢を跳ね返す気力を振り絞れなかったら、“もう一つの最後の砦”アルバニアまでもが快挙を果たすところだったのだ。いかに、近年のヨーロッパ・フットボール地図が以前とは比べ物にならないほど、偏りも歴然とした実力差もなくなりつつあるかという証左だと思う。
かくして、アイリッシュ魂は瀬戸際で意地を見せた。より非力と見なされていた「北」の方も、大豪ドイツ相手に最少失点で凌いでみせ、晴れてラスト16に名乗りを上げた。イングランドと近年の充実著しいウェールズの通過が「予定調和」だったとすれば、これはやはりアイルランド島の両雄の活躍に、より大きな光が当てられてしかるべきだろう。
中でも第一のヒーローは「北」の守護神、マイクル・マッガヴァーンに尽きよう。期待のコナー・ワシントンが不発気味でどこまでいっても心許ない得点力に加え、ドイツ戦ではスピリット自慢のバック4に疲労からかいつもの冴えが見られず、もしマッガヴァーンの八面六臂がなければ大敗を喫していてもおかしくなかったろう。
ちなみに、マッガヴァーンは現時点でフリーエージェントの身――。スコティッシュ・プレミアの新興ハミルトンを先シーズン終了後に解雇されている(理由は不明)。