想像していなかったJ2降格
2015年3月に大阪で行われたウルグアイ代表引退会見の直後に、フォルランのインタビュー記事をナンバー誌で取りあげてくれることになった。しかし与えられた時間は写真撮影を含めて30分というものだった。限られた時間で、フォルランの本音を聞きたかった。そこでインタビュー前に、彼に手紙を書き、それをフォルランと親しいスペイン人記者からメールしてもらうことにした。
3月24日早朝、いよいよインタビューの日がやってきた。フォルランは練習着姿で、にこやかな表情で目の前に現れた。私が送った手紙は読んでくれたようだ。
契約があと半年間残されているとはいえ、常に世界の一線級でプレーして来た華やかな経歴を持つ彼がJ2でプレーすることに抵抗はなかったのだろうか?それをまず尋ねてみた。しかしフォルランは特に表情を変えることもなく「全くなかった」とぽつりと答えた。しかし入団会見において、流ちょうな日本語で挨拶をして、日本中を驚かしたとき、このような境遇を受け入れるとは想像もしていなかったはずだ。
「もちろん思ってはいなかったよ。当然、優勝したいと思っていた。あるいはできるだけ上位に入るのを目指していたけど、結果は2部降格だった。でも人生においては様々なことが起こる。思い描いていたものとは異なるけど、ベストを尽くし、前進していくのだ」
フォルランは淡々と答えた。