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パンサー・尾形さんのサッカー人生と後輩・中村憲剛。「本当の長老になってほしい!」【INTERVIEW】

シリーズ:FChan TV text by 中山佑輔 photo by Asuka Kudo/ Football Channel, Getty Images

大学での上下関係、「嘘をつく」のも後輩の仕事

―――その後は中央大学に進まれて。

 そうです、寮生活で。3年生ぐらいからギャンブル・酒・女に溺れ始め、4年生のときはほぼ練習も出ずだったんですけど。

―――大学に入ってギャップみたいなものってありましたか? 全国レベルの人たちが集まるわけですよね。

 いや、ほんとっすよ。宮城でやってたときとは考えが変わりましたね。育英で一緒にやってた右サイドのやつとか、めっちゃ足が速いんですよ。でも大学だと同期の修徳高校出身のやつとか、もう速いのレベルが全然違うんです。高校のときの同期はもう「普通」ぐらいになっちゃう。

 俺が1年の時の4年生で斎藤大輔さん(C大阪、ジェフ千葉などでプレーし2009年に現役引退)がいて、あの人とか1対1がとんでもなく強いというか。1回も抜いたことないです。1回も抜かれたの見たことないです。ただ、あの人リフティング2回ぐらいしかできないんですよ(笑)。基本練習とかやってもボールが色んなところにいってるんです(笑)。

 ただもう1対1は強くて、それでユニバー(ユニバーシアード:学生による国際スポーツ大会)の日本代表に入っちゃう。テクニックがあるわけじゃないけど、1対1はハンパじゃない。ちょっと飛び抜けている人は多かったです。なんか一個飛び抜けてる。速いだけのやつとか。

―――その抜け方が尋常じゃないんですね。

 そうなんです。そんなやつ高校のときはいなかったですもん。

―――寮生活っていうのは、サッカー部の寮なんですか?

 サッカー部だけじゃないんですよ。野球部は違ったんですけど、バスケ部とかバレー部とかほぼ全部。南平(東京都日野市)の心霊スポットみたいな見た目の(笑)。とんでもないところなんすよ。1年生1人、2年生1人、3年生1人、4年生1人の4人部屋。

―――すごいですね、その分け方(笑)。他の部活の人と同じ部屋になることはあるんでしょうか?

 ないです、ないです。サッカー部はサッカー部の部屋です。

―――それは上下関係が…(笑)。

 ハンパないです。全部ですよ、洗濯、掃除、メシ、起こす……嘘つく、全部下の学年の仕事です。

―――「嘘つく」っていうのは(笑)。

 先輩がどっか遊びに行ってて、監督が寮に見回りで来た時に、ドアの前で「(先輩は)います! います!」って言うんすよ。監督が「いやちょっとどけろよ」って言って中を覗こうとしてきても「います! はい! います!」って言ってどかないっていう(笑)。それも仕事っすね(笑)。言い続けるっていうか(笑)。今考えると逆にいないっていうのがわかると思うんだよな、あれ(笑)。

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