日本代表戦を見て感じた悔しさ
開幕から5試合連続で白星を手にできず、15位に甘んじていたサンガは、チームにフィットするエスクデロに歩調を合わせるかのように調子をあげる。9試合連続無敗で迎えたヴェルディ戦のキックオフ前には、首位のコンサドーレ札幌と勝ち点3差の4位にまで浮上していた。
だからこそ、立ち上がりから相手の出足の鋭さに圧倒され、勢いに押された後半に逆転されたヴェルディとの90分間が、今後に訪れる正念場への糧にする必要があるとエスクデロは力を込めた。
「正直、試合前の雰囲気がこれまでとは全然違った。たまたま9試合続けて負けていなかったことで、驕りのような部分が出てしまったというか。相手は若いから、普通にやれば勝てるだろうという気持ちで試合に入ってしまった。常に謙虚な気持ちを抱くチャレンジャーとして、目の前の試合や日々の練習に臨まなければいけないのに、誰が悪いとかではなく、チーム全体として悪い癖が出てしまった。
以前にJ1で戦ったことがあるとか、過去のことはもう関係ないんですよ。いざピッチに入ったら必死に迫ってくる相手に対して、どんな形であれ絶対に負けない姿勢が求められる。代表でもよく言われている戦う気持ちを、一人ひとりがどれだけ出せていたか。切り替えという言葉は好きじゃないんだけど、過去に戻ることができない以上、この敗戦をプラスにしていくしかないわけですから」
ジーコ監督に率いられていた時代から、日本代表の試合はほぼ欠かさず見てきた。先のキリンカップもテレビ越しにエールを送ったが、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表に逆転負けを喫し、準優勝に終わった結果以上に悔しさを募らせる場面があった。
「試合後に(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督が、『日本人はフィジカルが弱い』と言っていたのがすごく悔しかった。実際、あれくらいの当たりに負けていたら絶対にダメだし、僕だったら体の大きなディフェンダーに対しても互角以上に勝負できる。自分があの場所にいたら、という思いを何度も抱きました」