韓国や中国で活躍しても、なかなか日本に伝わらない
ファウル覚悟で背後からスライディングを仕掛けてきた中後。体勢を立て直し、必死にダイブしてきた鈴木。2人を軽やかにかわした直後に左足を振り抜くと、緩やかな軌道を描いたシュートが無人のゴールへ吸い込まれていった。
今年2月に自ら志願する形で、江蘇蘇寧との契約を解除した。チームがブラジル代表選手を“爆買い”したあおりを受けて、外国人枠からはじき出されていたからだ。
エスクデロのもとには、韓国やオーストラリアのクラブからオファーが届いた。それらをすべて断ったうえで日本へ、それもJ2の舞台でのプレーを選んだ理由は、7シーズンぶりのJ1復帰へ必要不可欠な存在だと訴えてきたサンガの熱意だけではない。
いくら韓国や中国でレベルの高いプレーを見せても、日本にはなかなか伝わらない。一方で日本人として日の丸を背負い、ワールドカップの舞台でプレーしたいという想いもエスクデロは抱き続けてきた。
30歳になる直前の2018年夏に開催されるロシア大会へ――。自身の存在を代表スタッフにアピールする意味でも日本国内でプレーすることが、なおかつインパクトの強い足跡を残すことが必要だった。
だからこそ、エスクデロは胸中に高いノルマを刻みながらサンガの一員になっている。
「J1への昇格を決めて、天皇杯を制して来年のACLに出場することが僕の目標です。絶対に達成するという強い気持ちでプレーしているし、それくらい目標を高く掲げないと代表なんて言っていられない。できなければそこまでの選手ということだし、またゼロから出直せばいいだけのこと」
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