アタッキングサードの解決策が課題だったドイツ
質の高いポゼッションを展開した。2016年6月21日の欧州選手権グループC、最終戦をドイツ代表は北アイルランド代表と戦う。
0-0で終えた2試合目、ポーランド戦からの課題は明確だった。代表監督ヨアヒム・レーブは「ポーランド戦のドローは北アイルランド戦に影響を与えない」としつつも、「アタッキングサードでの解決策」を課題として挙げる。
ポーランド戦では63%の支配率を記録したが、試合後にボアテングも認めたように、それは主にアタッキングサードの手前までの数字だった。レーブは攻撃面の改善に取り組むことを明言する。北アイルランド代表が「6バックと、その前に人数を置いてくる」ことを予想した。
「(固めてくる北アイルランド代表に対して)1対1で優位に立てる選手が必要になってくるね。先発の変更はあり得るよ」
つまり、アタッキングサードに食い込むポゼッションを、見せつけることができるか。北アイルランド戦でドイツ代表に問われるのは、まさにその点だった。
公言したとおり、レーブは「先発の変更」を行う。これまでの2試合でゲッツェを置いたワントップには、ゴメスを起用する。ゲッツェは、左SHに回った。そして右SBに、昨季は所属先のバイエルンで複数のポジションをこなしたキミッヒである。そして、この「先発の変更」そのものが、結果的に「アタッキングサードでの解決策」となった。
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