トルコ戦の流れの継続を選択したデル・ボスケ
クロアチアに敗れうつむくデルボスケ監督【写真:Getty Images】
チェコ、トルコ相手に連勝し、すでにグループステージ突破を決めているスペイン。試合前に他のグループの結果によってクロアチアも突破を決めたことによって、この試合はグループ首位での突破をかけた試合となった。
初戦のチェコ戦はチーム全体のスピードが上がらず、苦戦を強いられたスペインであったが、トルコ戦ではジョルディ・アルバ、ファンフランの両SBの積極的なオーバーラップ、イニエスタの“異次元”のプレー、アルバロ・モラタ、ノリートのFW陣のゴールもあり、強さと美しさを存分に見せつけた。
クロアチア戦ではキャプテンのセルヒオ・ラモスはあと1枚イエローカードを貰えば、ベスト16は出場停止となる状況だった。また、疲労が溜まっている選手を休養させ、出場機会のない選手にチャンスを与えることも考えたはずだ。しかし、ビセンテ・デル・ボスケ監督はトルコ戦の出来、流れの継続を選択し、これまでの2試合と同じ11人をピッチに送り出した。
試合序盤、チェコ戦から5人のメンバーを入れ替え、若い選手を起用してきたクロアチアはチェコ戦、トルコ戦と違い、積極的に前からプレッシャーをかける戦いを選択。しかし、先制したのはスペインだった。
7分のモラタのゴールはGKのダビド・デ・ヘアから攻撃が始まり、ダビド・シルバのラストパスのアイデアなどスペインらしさが詰まったゴールと言えるだろう。ここまではデル・ボスケ監督の思惑通りだったはずだ。
しかし、ボールは保持するものの、決定的なシーンを作れず、追加点を奪うことができずにいると前半終了間際には右サイドを破られ、二コラ・カリニッチに決められ同点に追いつかれる。後半も前半同様の展開となり、ダビド・シルバがPKを得るも、セルヒオ・ラモスのキックは止められてしまった。
87分にはカウンターからイバン・ペリシッチに決められ、追いつくことはできず1-2の敗戦。EURO2008から始まったEURO本選での無敗記録は14で途絶え、グループ2位での突破になってしまった。