ドイツよりも多彩だったポーランドの攻撃
16分、ミュラーが左サイドでピシュチェクとの1対1を制して、エリアに入る。ミュラーが中に入れたボールを、クロースが左足ダイレクトでシュートを打った。ドイツ代表はチャンスを作りつつ、ボールを保持して序盤を優位に進める。また中央に人数を掛けることは、ポーランド代表がカウンターに出ようとした時のゲーゲンプレッシングにも役立ったようだ。
しかし、このグループC第2戦に限って言えば、4-4の守備ブロックの崩しという点では、ポーランド代表の方が一枚上手だったのではないだろうか。もちろんドイツ代表にも守勢に回る時間帯はある。引く時には、ポーランド代表と同じく4-4-2で構えた。
復帰したばかりのフンメルスが悪かった訳ではない。CBでコンビを組んだボアテングとともに最後の砦となり、ピンチを何度も防いだ。おそらくドイツ代表の予想以上に、ポーランド代表は多彩に4-4の守備ブロックを崩してきた。
例えば46分、内側に絞った右SHクーバと、逆サイドまで走った左SHのグロシツキがコンビネーションで右サイドを崩すと、ゴール前のミリクにクロスを送った。ミリクは頭で合わせようとする。わずかに合わなかったが、あわやの場面だった。58分には、クリホビアクがドリブルで中央突破を仕掛け、ミュラーがなんとかファウルで止めた。
ボアテングは「僕らはチームとして良いディフェンスをした。だけど全体的にはより長い距離を走らなければならなかったし、よりアグレッシブに多くの1対1に勝たなくてはならなかった」と振り返る。
【次ページ】良いプレーはアタッキングサード手前まで