セキュリティが問題視されているEURO2016【写真:Getty Images】
サポーターの度重なる暴動が問題となっているEURO2016だが、開催国フランスのセキュリティが問題視されているようだ。15日付けのドイツ紙『ビルト』が報じている。
ドイツとウクライナが対戦した試合後にあるドイツ人サポーターが無断でスタジアム内をうろついていたことがわかった。ドイツ代表サポーターのラルフ氏は、試合観戦後にスタジアム内の制限区域へ侵入することができたようだ。幸運にも同氏は危険物を所持してはいなかったようだが、そのことでフランスのセキュリティ対策の深刻な欠陥が浮き彫りになっている。
ラルフ氏は「試合が終わって30分でスタジアムには誰もいなくなった」と口を開くと、「そこでスタジアム内を散歩することにした」とその経緯を語っている。さらに、「歩いていると手に風船を持った何名かのVIP客が見えたんだ。どこでもらったのかを尋ねると中で配っていたとある男性が答えた。だからスタジアムの中に入ったんだ」と話を続けた。
「そこでは何でもできたね。ピッチを歩いたし、(ドイツ代表のヨアヒム・)レーヴ監督のベンチにも座った。誰も僕の行動を怪しんでいなかったんだ」と明かすと、「1時10分にドレッシングルームに入り、作業員と思われたのかな、誰にも止められなかったね」と語っている。
ラルフ氏は、そこで両チームのドレッシングルーム内の写真を何枚か撮ったようだ。そこには大きな違いがあり、ドイツ側はきれいに片づけられていたのに対して、ウクライナ側は、負けた腹いせか、41本ものタバコの吸い殻と、缶ビールや赤ワインの瓶が放置されていたようだ。
先週フランスのベルナール・カズヌーヴ内務大臣は、セキュリティ対策が細部まで行き届いていることを保証しているが、この写真がその証言を覆す証拠となったのは間違いないだろう。
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