岡崎がレスター移籍でもたらした経済効果
今季のプレミアリーグ開幕前、レスター・シティがこのような快挙を成し遂げると誰が予想しただろうか。「降格候補筆頭」とまで言われた小規模クラブは、周囲の予想を超える躍進を遂げ、不可能だと思われたプレミアリーグ優勝を果たした。
そして、その中心に日本人選手がいることは非常に名誉なことである。日本代表の岡崎慎司はレスターの主力として多くの試合でスタメン出場し、その献身的なプレーで優勝に貢献した。
岡崎のひたむきで実直なプレーは観る者を勇気づけ、日本のみならず世界中のサッカーファンに夢と希望を与えた。
しかし、岡崎がピッチ外で与えたのは「夢」や「希望」だけではない。彼は、日本サッカーに多大な経済的な貢献をもらたしているのだ。
昨年夏に岡崎がマインツからレスターへ移籍した際の移籍金は、報道では推定1100万ユーロとされており、1ユーロ=120円(6月15日現在のレート)で換算すると13億2000万円となる。
この移籍金の一部が、岡崎が育成年代で所属していた宝塚ジュニアフットボールクラブ(以下、宝塚ジュニアFC)、滝川第二高校、清水エスパルスに分配されるのである。
FIFAが制定する『選手の地位並びに移籍に関する規則』の「Solidarity Contribution(=連帯貢献金)」に、分配される比率が明文化されている。
同規約に基づけば3チームはそれぞれレスターから連帯貢献金として大きな利益を得る権利がある。
レスター広報に確認を取ったところ、「連帯貢献金に関してクラブが義務を果たしていることは確認しています」という短い返答があった。
では、岡崎がもたらした『連帯貢献金』とは何なのだろうか。また、岡崎がマインツからレスターへ移籍したことでどのくらいの金額を得ることができるのだろうか。