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日本代表 8年前

なぜ藤春廣輝だったのか?リオ五輪OA内定、G大阪番記者が見たクラブの内情と“地獄の組”を戦うためのタフさ

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

チーム力ダウン必至だが、クラブの反応は?

長谷川健太
ガンバ大阪の長谷川健太監督【写真:Getty Images】

 5人のOA枠候補に入っている段階で長谷川健太監督は「拒否できるなら拒否したい」と苦笑。「シーズン中に最大5試合いなくなるわけだし、快く送り出すチームはないと思う」と現場を預かる立場での本音を口にした。

 無理もない話である。左サイドからの攻撃はチームの武器の一つだが、藤春の離脱に加えて、同サイドでプレーする宇佐美貴史もアウクスブルクへの移籍話が浮上しており、左サイドの戦力ダウンは必至。

 ただ、6月14日の会見に同席した上野山信行取締役アカデミー部長も「一番は本人の意向を尊重する。その次にクラブが合意するということ。本人に聞けば『行きたいです』ということだった。セカンドステージの5試合不在は不安だが、藤春選手のステップアップになればということで快く送り出した」と内情をこう明かす。

 一方で、上野山取締役アカデミー部長の言葉で示唆的だったものがある。

「当初の目標通り、今回は2名出す。2020年は4人出すというプランを持っている」

 言い間違いでなければ、「今回は2名出す」という発言が意味するものは藤春に加えて、更にもう一人をU-23日本代表に送り出すという事だ。

 アジア最終予選を兼ねたAFC U-23選手権や先日行われたトゥーロン国際大会にはガンバ大阪から井手口陽介が招集されているが、井手口もやはりタフさを持ち合わせる選手。「つなぎがまだまだ課題」とトゥーロン国際大会で自身の足下を見つめ直した19歳だが、藤春同様にブラジルでのプレーに適した特長を持っているのは確かである。

(取材・文:下薗昌記【大阪】)

【了】

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