「清武に賭けたのは、間違いなく質の高い選手だから」
加えて言葉についても「ほかの外国人選手にしてきたように、基礎的なスペイン語を学ばせる用意があります。早くチームに溶け込めるよう、全力でバックアップしますよ」と、問題視していないようだ。
気になるのは、清武の獲得が日本市場の開拓を意図したものであったかだが、モンチSDは「もちろん日本人選手が所属していれば、日本、ひいてはアジアにおけるSFC(セビージャ・フトボル・クルブ)の存在感はより際立つでしょうね」と否定せず。けれども、それは前向きに捉えられるべきこととも説明している。
「我々が清武に賭けたのは、彼が間違いなく質の高い選手だからです。彼の獲得は日本のフットボール的な成長とセビージャのクラブ的な成長を意味するのだと思います」
今季にヨーロッパリーグで優勝を果たし、国王杯で準優勝となったセビージャは、来季をUEFAスーパーカップのレアル・マドリー戦、スペイン・スーパーカップのバルセロナ戦と、スペインの2強との対決からスタートさせる。
モンチSDは「彼らと対戦する機会は、すべての選手のモチベーションを高めるものです。弘嗣も与えられるチャンスを、しっかりと生かし切りたいでしょうね」と、清武がレアル&バルセロナとの対戦で、その野心を示すことに期待を寄せていた。
なおモンチSDは現在、パリ・サンジェルマンからのオファーを受諾したウナイ・エメリ監督の後任として、チリ代表を2015年南米選手権優勝に導いたホルヘ・サンパオリ監督と契約することを目指している。今回のインタビューの発言に鑑みれば、この敏腕SDは獲得したばかりの日本人選手を、胸を張ってサンパオリ監督に紹介するはずだ。
(取材:ロシオ・ゲバラ【セビージャ】/文:江間慎一郎【マドリード】)
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