CL決勝からロナウドのコンディションは戻っているか
ロナウドが不調であれば、ポルトガル代表に大きな影響が出ることは2年前のワールドカップが証明している。
そして今回のユーロも、その時と同じように、CL決勝をアトレティコと戦い、タイトルをとった。2年前はその決勝戦で怪我を悪化させ、ロナウドは十分なコンディションで大会に臨めなかった。今回は果たして大丈夫なのか。CL決勝時も、けっして状態はよさそうではなかった。
しかし、ロナウドはその後1週間休暇をとり、6月6日に代表に合流し、2日後に行われたエストニア戦では前半のみの出場だったが、2得点と本来の決定力の高さを示した。
試合後のミックスゾーンでは、「僕はまだ最高の状態ではない。だが開幕まで1週間あり、コンディションはさらによくなるだろう。今日の試合もできればもっとプレーしたかった。でも配分を決めて他の選手たちにも機会を与えた方がよかったのだ。ユーロには僕自身いいスタートを切れると確信している」と力強い言葉を残している。
ポルトガルはまだワールドカップにも、ユーロにも優勝したことがない。優勝に最も近づいたのが、ロナウドが19歳で臨んだユーロ2004だった。地元開催であり決勝まで到達しながらも、ギリシャに敗れた。
試合後大泣きしたロナウド。その時の悔しさを晴らすのは、31歳になるロナウドにとって、これが最後のチャンスである。それだけに今大会へかける意気込みは並々ならぬものがあるようだ。
フェルナンド・サントス監督はエストニア戦の大勝にもかかわらず、「まだまだやらなければいけないことはたくさんある」と、気を引き締める。
「選手たちは自信を持ちながらも、それでいてしっかりと両足を地に着けている。誰もうぬぼれていない。それこそが、我々がユーロにおいて偉大なことを成し遂げるための扉を開く鍵となっている」
自信と謙虚さ。その2つのものを持ち続ければポルトガルはアウトサイダーでありながらも優勝戦線に浮上できることを、監督もそして選手たちも信じている。
(文:竹澤哲)
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