炎天下の大会で結果を出してきた歴史。イブラ抜きでも……
イブラヒモビッチが参戦すれば大きな話題となるが、先述したように試合会場の気候面や選手派遣見送りなど、これまでのところ現地メディアではどちらかというとネガティブなニュースが多い。
だが、突出した個の力に頼らずチーム力が特長である今回のスウェーデンにとって、ベストメンバーが組めないことは大した問題ではないかもしれない。そして、スウェーデン国民も忘れているかもしれないが、この北欧の古豪はかつて、欧州のゴールデンタイムに合わせたために日中の炎天下で試合が行われた1994年米国W杯、また連日30℃を越えるなかで行われた2013年U-17W杯でいずれも3位入賞を果たしている。気候とベストメンバーの問題はそれほど影響ないというのが私見だ。
躍進のカギは、U-21欧州選手権で見せた組織と守備の完成度をどれだけ高められるかにかかっている。そして、こういうことを書くとサッカーファンを敵に回すかもしれないが、イブラヒモビッチ抜きの五輪代表を見たい。
独力で試合を決める「個」の力に頼ることなく「チーム」として勝負するのがこの国のサッカーの強みであり、それこそが、筆者がこの国のサッカーに魅せられたきっかけだからだ。
(文:鈴木肇)
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