期待のMF、サッカー選手になれたのはポケモンのおかげ?
U-21欧州選手権ではグループリーグ最終節のポルトガル戦で終盤に同点ゴールを決めるなど大会で2得点をマークして優勝に貢献したティッブリングは、現在オランダのフローニンヘンに在籍する21歳。
ジュニアの頃はバイエルンやマンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブから熱視線を送られたことがあるこのセントラルMFは、小柄(174センチ)でボール扱いに優れ、勝負強さも併せ持つという点で、1994年米国W杯3位入賞の立役者となった往年の名選手トーマス・ブロリンの再来と言われている。
ティッブリングといえば、日本人として気になるこぼれ話がある。今年4月、FIFA公式に「ポケモンがなければサッカー選手になっていなかった」というタイトルの記事が公開されたのでご存知の読者もいるかもしれない。
6歳のときにサッカーを始めたティッブリングだが、練習初日でサッカーが嫌になり、すぐにでも辞めたくなったという。だがここで、母親がある「取引」をもちかける。それは「練習に行けばポケモンカード2パック買ってあげる」というもの。
すでにポケモンのカード集めに熱心だったティッブリングにとって、もはやサッカーを辞める理由はなくなった。ポケモンによってサッカーとつながり続けたティッブリングは、9歳のときに若手育成に定評のあるブロンマポイカルナからトレーニングキャンプ参加の誘いを受けたのを機に徐々にステップアップしていった。「最大の夢は欧州のトップレベルでプレーすること」と話す本人にとって、五輪は貴重なアピールの場となる。