「『ズラタンと彼を崇める10人の選手』であってはならない」
五輪代表としてプレーするだけにとどまらず、開幕式の旗手を担うべきだという声もある。エチオピア生まれ中距離走者であり1500mで金メダル獲得が期待されるアベバ・アレガウィら、外国のルーツを持つ選手を多数抱えるスウェーデンだが、イブラヒモビッチの出身地マルメの地元紙『SYDSVENSKAN』は「ズラタンはスウェーデンのスポーツ界が築いてきた強固かつ明瞭であり、かつ多くの成功を収めてきた移民統合政策の象徴である。リオデジャネイロの開幕式でスウェーデン国旗を持つ姿を見たい」と記している。
一方で、イブラヒモビッチ招集のマイナス面を指摘する声もある。現役時代はベンフィカやアタランタでプレーし、現在はテレビでコメンテーターをとして活動しているグレン・ストロムベリ氏は「ズラタンはスーパースターのように振舞わないことが重要」と話す。
「ズラタンは五輪に出場する若手選手たちにとって偉大なアイドルである。だが、ピッチの上でのズラタンはフィールドプレーヤーのひとりでなければならない。『ズラタンと彼を崇める10人の選手』であってはならない」とし、イブラヒモビッチ加入によって五輪代表の持ち味であるチーム力が崩れてしまうというリスクを指摘している。
イブラヒモビッチ招集の可能性に関しては、現時点では何ともいえない。本人が「新しいクラブ次第」と話す通り、最終的には新天地の意向に委ねられそうだ。ただ、マンチェスター・ユナイテッドではなくもう1つの候補先である米LAギャラクシーに移籍が決まった場合、欧州に比べるとブラジルとの距離が短いため、五輪参戦の可能性は大きくなるのではないか。
では、イブラヒモビッチ以外で注目すべき選手はだれか。ここでは、MFシモン・ティッブリングを紹介したい。