五輪出場希望を隠さないズラタン
レギュラークラスの実力を持つDFルドヴィグ・アウグスティンソン(コペンハーゲン)やMFクリストフェル・オルソン(ミッティラン)がプレーするデンマークリーグでは、各クラブは五輪派遣可能な選手を2人用意するという方針が固まった。
ただしこれには例外があり、チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の予選に参戦するクラブは選手を出さなくてもよいことになっている。16日にリーグ優勝を決め、来季のCL予選に出場するコペンハーゲンは、「クラブのあらゆる試合は五輪よりも重要」として、誰ひとりとして五輪に送り出すつもりはないと明言。よって、アウグスティンソンは欠場が濃厚となった。
スウェーデンでも大方のクラブは選手の五輪派遣に消極的だ。参加資格を持つDFパ・コナテやMFエルダル・ラキップが所属するマルメのニクラス・カールネーン会長は「五輪期間中も国内リーグは行われる。選手はクラブチームを優先すべき」と難色を示す。エリクソン監督がオーバーエイジ枠でどの選手を選ぶかによるが、ベストメンバーを組める可能性は低いだろう。
さて、オーバーエイジ枠といえばこの男に触れないわけにはいかないだろう。ズラタン・イブラヒモビッチだ。
エリクソン監督はイブラヒモビッチの招集に前向きな姿勢を見せている。今年2月に五輪代表メンバー候補100名をリストアップした同監督は、そのなかにイブラヒモビッチの名前も入っているとメディアに発表。
スウェーデンが誇るワールドクラスの五輪参加は他の選手も歓迎しており、GKとして招集される可能性が高いイェスペル・ヨハンソン(GAIS/スウェーデン)は「とても意義のあることだ。ズラタンは長年にわたってスウェーデン最高の選手であり、ピッチ内外におけるリーダーでもある」と話している。
イブラヒモビッチ本人も、U-21欧州選手権終了後に「五輪でプレーしたことは一度もない。だから五輪代表の一員になれたらとてもうれしい」とコメント。さらに、今年3月にはスウェーデンのテレビ局『TV4』のインタビューで「俺が五輪に魅了されてるんじゃない。五輪が俺に魅了されているんだ」と「イブラ節」を披露した(編注:6月13日現在、イブラヒモビッチはマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が濃厚と言われているが、その発表が遅れている。その理由が五輪出場のためという現地報道もある)。