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日本代表 8年前

イブラ出場は諸刃の剣か。“北欧の古豪”スウェーデン、武器は堅守とチーム力【五輪対戦国を読む】

8月に開幕するリオ五輪。サッカー日本男子代表と対戦する3ヶ国はどんなチームなのか。各国に精通する記者が分析する。まずは、イブラヒモビッチ招集が話題を呼んでいるスウェーデンだ。(文:鈴木肇)

シリーズ:五輪対戦国を読む text by 鈴木肇

伝統の堅い守備が戻ったスウェーデン

2015年のU-21欧州選手権を制したスウェーデン
2015年のU-21欧州選手権を制したスウェーデン【写真:Getty Images】

 リオデジャネイロ五輪の男子サッカー組み合わせ抽選会が4月14日に行われ、日本はグループBでナイジェリア、コロンビア、スウェーデンと同組となった。

 対戦国を眺めてみると、アンダー世代の大会で好成績を収めてきたナイジェリア、南米の雄コロンビアと比較してスウェーデンには馴染みが薄いかもしれない。

 スウェーデンは2015年にチェコで開催されたU-21欧州選手権で下馬評を覆して優勝。強豪イタリアとのグループリーグ初戦では退場で数的不利になってから逆転勝利を収めるという離れ業をやってのけると、決勝ではポルトガルをPK戦の末下し、見事栄冠に輝いた。

 優勝の原動力となったのは、「堅守」と「チームワーク」だ。2000年から2009年までスウェーデンA代表の監督を務め、現在はアイスランド代表を指揮するラーシュ・ラーゲルベック氏は「このチームの最大の強みはディフェンス。選手全員がチームのためにハードワークをしている」とコメント。

 1990年代半ばから2000年代半ばまでフルA代表として活躍したニクラス・アレクサンデション氏は、この若き代表チームの戦いぶりを表すキーワードとして「コレクティビティ」と「チームスピリット」を挙げている。

 組織力を生かした堅い守備といえばこれまでスウェーデンサッカーの代名詞だったが、近年のA代表は強豪国はもとよりオーストリアといった中堅国相手でも簡単にゴールを許すようになり、もはやかつてのお家芸は失われつつある。それだけに、「らしさ」を前面に押し出したU-21代表の戦いぶりにファンや関係者は歓喜した。

 こうした特長は、U-21欧州選手権後も変わっていない。2017年U-21欧州選手権の予選ではここまで5試合を消化して4勝1分と好調をキープ。許した失点は、引き分けに終わった敵地のスペイン戦で喫した1ゴールだけだ。対戦国にとってゴールをこじ開けるのはそう簡単ではないだろう。

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