前評判の低さは“ジンクス”の吉兆!?
戦力不足に不安を抱えるイタリア代表は前評判の低さを跳ね返せるか?【写真:Getty Images】
戦力不足は否めない。だからクラブチーム並みに戦術を固めて戦おうとしているのだが、現状では危ういバランスのもとに成り立っている。本当の完成度は、やはり蓋を開けてみなければ分からないというところか。
一方、大会に調子を合わせてきている選手もいる。アントニオ・カンドレーバは右ウイングバックになってもドリブル突破とクロスを安定して保証。直前で代表に返り咲くも故障を抱えていたダニエレ・デ・ロッシも、練習試合では中盤のアンカーとして、ボール奪取や深い位置からの性格なパス出しを披露していた。
ユーベ組で構成された最終ラインの完成度は言うに及ばず。伝統的なカテナッチョに反し位置は高いが、後方の面々が安定しているのはやはりこの国の伝統芸か。
前評判のよくないときのイタリアは、本大会で意外な活躍を見せるジンクスがある。その法則に沿えば、今回の前評判の低さは吉兆でもある。
現実には他の優勝候補との戦力差は否めないが、彼らがどうやってそれを跳ね返すのかに注目したい。
(文:神尾光臣【ミラノ】)
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