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イタリア代表、前評判の悪さに潜む吉兆。指揮官も認める“武器不足”とユーベから移植したカテナッチョ

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

心もとないFW陣。戦力レベルに不安

グラツィアーノ・ペッレ
グラツィアーノ・ペッレ【写真:Getty Images】

 直前の親善試合では、スコットランドとフィンランドにそれぞれ勝利を収めた。しかも両試合とも、ほとんどの時間を相手陣内でプレー。戦術の要となる最終ラインがやり方を熟知しているせいか、戦術変更はとりあえずスムーズに進んだようだ。クラブチーム然とした戦術の一体感は、イタリアの武器となるだろう。

 だが、それ以外に武器があるのかどうかといえば、やはり微妙だ。この直前の親善試合2試合でも、月並みな言い方になるが戦力レベルの心もとなさは否めなかった。

 まずはFW陣である。ブラジルW杯終了から2年のあいだにタレントが見つからなまま突入し、正直得点力に乏しい。大型のグラツィアーノ・ペッレは安定したポストプレーを保証はするが、エリアの中で単独でマークを外せる選手ではない。スピードでゴールに迫ることのできるエデルもインテル移籍で調子を崩し、この大会直前で故障を抱えた。

 残りの顔ぶれはシモーネ・ザザにチーロ・インモービレ。練習試合で披露したコンディション自体は悪くなさそうだったが、両者とも所属クラブでは控えとして過ごしている。ナポリで活躍したロレンツォ・インシーニエは、2トップの一角としてはまっていないようだ。

 一方ローマで復活したステファン・エル・シャラウィについては、コンテ監督は左ウイングバックとして起用する模様である。彼をゴールから遠ざけるのは勿体ないような気もするが…。

 もっぱら走り屋としての能力が要求されるインサイドMFには、なんとエマヌエーレ・ジャッケリーニと、アレッサンドロ・フロレンツィという本来ウイングの二者がテストされていた。本職のMFたちよりも戦術的に合っており、所属クラブでも複数のポジションを任されていることから賭けに出ているのだろうが、実戦では未知数だ。

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