前評判の悪いイタリア代表。GLは苦戦必至か
イタリア代表のアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】
「国歌『マメーリの賛歌』が歌われるのはイタリア代表の試合の時だけ」
イタリアではそのように言われることがある。都市毎の独立心が強いこの国では、国が一体感を見せるのはサッカーの国際大会の時ぐらいだというのだ。実際ワールドカップや欧州選手権での時では多くの街でパブリックビューイングが実施され、近所のバールでもテレビを表に出して観戦する。もちろん優勝すれば、国中が夜を徹しての大騒ぎとなる。
今回のEURO2016でも、始まってしまえばそう雰囲気になるだろう。ただ戦前の期待感は、正直言って低い。各ブックメーカーにおける優勝オッズは軒並み10倍を超え、ドイツやフランスにスペイン、イングランドやベルギーなどに水をあけられている。
予選はグループHを1位で通過。ただその間も、アントニオ・コンテ監督自ら「(2位通過した)クロアチアの方が戦力は上」と公言するほどにタレントは不足している。そしてその後の親善試合では、スペインとは引き分けたもののベルギーとドイツには大敗を喫した。
本大会のグループリーグでの組み合わせも悪い。グループEには他でもないベルギーが入り、あのズラタン・イブラヒモビッチを擁するスウェーデン、さらに伝統的に苦手としているアイルランドとの対戦が決まった。
前回大会では準優勝のイタリアだったが、下手を打てばグループリーグで敗退する可能性も決して低くはない。果たして彼らは、前評判の悪さを吹き飛ばして躍進することができるのだろうか?