快勝も課題。指揮官は満足せず
最後に94分、ドイツ代表は自陣からカウンターに出る。エジルの左からの折り返しを、シュバインシュタイガーが右足ダイレクトで決めきった。2-0。
4日のテストマッチ、ハンガリー戦で2ヶ月ぶりに復帰したばかりのシュバインシュタイガーは、喜びを爆発させながら、レーブの待つベンチへと駆けて行った。
ドイツ代表は、欧州選手権の初戦を2?0で勝利した。もちろん好スタートだが、攻撃面で課題を残したところもある。偽9番のゲッツェを軸に前線は流動的に動いたが、効果的なコンビネーションからゴールに迫ることはできなかった。
ブラジルW杯の時と比べれば、ボアテングからトップを狙ったロングボールや、縦パスが増えたが、偽9番のゲッツェには上手く収まらず、そこから連動した攻撃に繋がらなかった。
16日に行われるポーランド戦に向けて、レーブは「我々はまだもっとシュートまで持っていかなくてはならない」とも語っている。ベンチにはセンターフォワードタイプのゴメスが控えているが、第2戦でレーブは何かを変えるだろうか。
20年ぶりの欧州王者を、現実のものと見据えていることには変わりない。
ケディラは言う。
「僕らは夢想家の集団じゃない」
タイトル奪還に向けて、ドイツ代表の戦いが始まった。
(文:本田千尋)
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