人材豊富な中盤、様々な組み合わせが可能
中盤はこれまでチームの核として働いてきたシャビとシャビ・アロンソが抜けたが、しかし人材は豊富だ。
この中で絶対的に外せないのがセルヒオ・ブスケツだ。彼にとって初めての大きな大会となったのは2010年ワールドカップだった。初戦のスイスに敗れると、多くのメディアから攻撃されたが、それにもかかわらず、デル・ボスケ監督は彼を信頼し使い続けた。
その結果、ワールドカップ優勝という大きな結果を生み出し、以降、デル・ボスケ監督率いるスペイン代表において欠かせない存在となったのだ。
2012年大会でMVPを受賞したイニエスタは、衰えも心配されるが、創造性溢れるプレーはまだまだ健在だ。
アトレティコでも華々しい活躍を見せたコケは、中盤のどこでもできるユーティリティプレーヤー。セルヒオ・ブスケツと共にピボーテを組むこともできるし、また左にイニエスタ、右にコケという布陣も考えられる。その他、セスク、チアゴ・アルカンタラ、ブルーノ・ソリアーノ、シルバと優れた選手が揃い、様々な組み合わせが可能となっている。
フォワードに関しては、デル・ボスケ監督のメンバー選出において、フェルナンド・トーレスやパコ・アルカセルが外れたことに対する批判もあった。しかしアドゥリスは35歳ながらも今季のリーガ・エスパニョーラでスペイン人選手としてはトップの20得点をたたき出しているし、またユベントスでの活躍が認められ選ばれたアルバロ・モラタは怪我が心配されていたが、大会には間に合うようだ。
彼自身初めてのユーロだけに大きな意気込みを持っている。両サイドにはスピードのあるノリートとルーカス・バスケスがいる。さらにペドロは両サイドでプレーできるし、膠着状態においてのスーパーサブ的な起用のされ方でも活きるだろう。
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