責任は増している、だが優勝は義務ではない
「我々は大きな目標を持ってフランスへ向かう。それは4年前に獲得したタイトルを守るという意味だ。EURO 2012の時も同じ状況だったが、今回はその時よりも少し責任が増している。なぜなら3連覇がかかっているからだ。
ただこの際はっきりとさせておかなければいけないのは、目標と義務との違いだ。優勝することは決して義務ではない。パリで行われた抽選会において私は周囲を見回したが、24代表のうち優勝できるのはたった1チームであるということをあらためて感じたのだ」
デル・ボスケ監督はスペイン最大のスポーツ紙「マルカ」のインタビュー(6月6日)においてこのように話している。
ユーロ2008年大会優勝を果たしたルイス・アラゴネス監督の後を受けて就任したデル・ボスケ監督は、2010年、スペイン初となるワールドカップ優勝を成し遂げた。続くユーロ予選を全勝で通過、しかも得点26で失点はわずか6と、圧倒的な強さを示した。そして2012年ユーロにおいて大会史上初となる2連覇を達成した。
しかし、2014年ワールドカップブラジル大会では優勝候補の一角とされながら、オランダに大差で敗れ、さらにチリにも敗れ、1勝2敗でまさかのグループリーグ敗退と不本意な結果に終わっている。
あれから2年、ユーロ予選も9勝1敗、23得点3失点と大きな問題もなく本大会出場を決めている。デル・ボスケ監督が就任してからの8年間を振り返れば、選手たちも少しずつ入れ替わってきているが、2008年優勝当時のメンバーも、カシージャス、セルヒオ・ラモス、イニエスタ、セスク、シルバの5人が残っている。