参考になるJリーグのライセンス制度
NPL所属90クラブの中から、一定の条件を満たすクラブを地域性も考慮して選ぶ。ここでは仮にその数を12としておく。それらのクラブに順次“Bリーグ”ライセンスを付与。同時に、“Aリーグライセンス”の基準を満たすようにクラブの環境整備を促す。
その12チームを2つのカンファレンスに分け、リーグ戦を実施。その結果に基づいてのカンファレンス間でのプレーオフで、入れ替え戦に臨むチームが決まり、Aリーグの下位クラブと入れ替え戦を行う……。あながち、無理とは言い切れない話に思えるのだが。
そんな大きな夢を描いている最中、筆者の暮らすブリスベンで、また毎年の“お約束”が起きている。ブリスベン・ロアがオーナーのインドネシア財閥の今後の経営面でのコミットメントが不透明との理由で、FFAからライセンス更新の停止をほのめかされているのだ。
Aリーグがこんな体たらくでは「全豪第3の都市の唯一のクラブがこの調子なんだから、エクスパンションだ、Bリーグなんて気が早すぎる」という慎重派の声が聞こえてきそうだ。まずは、今の有り様を固めていくこと、それが急務だ。しかし、FFAには、それ以外のあらゆる可能性を考慮して、この国のプロサッカーを進化させていく責務があることも忘れてはならない。
せっかくのJリーグとのパートナーシップ協定の締結だが、記者会見して、握手して、聞こえの良い目標を並べて終わりでは意味がない。例えば、Jリーグのライセンス制度や入れ替えのシステム、各地方クラブの経営に関してのリーグのコミットメントなどなど、実際的なところをJリーグという先達からどんどん学んで貰いたい。
筆者にも色々な腹案やアイディアはあるが、これを語り始めると長くなる。今後、その辺は小出しにしていくとして、今月はこの辺にて。
(取材・文:植松久隆【ブリスベン】)
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