胸を張って存在感を主張する
――クセと言えば、首を振る以外にも、遠藤選手はいつも胸を張ってプレーしていますよね。意識しているんですか?
遠藤 それはシンプルに、存在感を堂々と見せようと(笑)。単純ですけど、DFはそういうことも大事です。「このDFは強そうだな」「抜けない気がする」という雰囲気をかもし出すために、胸を張っています。
――どっしり構えて、さあ来なさいと(笑)。
遠藤 やっぱり、ねこ背で不安そうなセンターバックは、味方も信頼できないと思うんですよね。プレーする上でも姿勢はすごく大事なので、DFの安定した姿勢を取るために、胸を張るほうが良いなと思ってやっています。
――その姿勢はメンタルにも影響を与えそうですね。守備のパフォーマンスも変わりますか?
遠藤 そうですね。僕はそうやって堂々と姿を見せることによって、自分のプレーに落ちつきが出るし、大事だなと思います。
――グループの守備について、最近の浦和レッズの試合で参考になるシーンはありますか?
遠藤 9節の名古屋グランパス戦は、中盤でボールを失ってディフェンスラインで勝負されたシーンが何度かありました。前半43分には、僕と槙野君(槙野智章)と森君(森脇良太)の3人で守って、最後はシモビッチ選手のシュートが外れたシーンがありましたが、あの場面を見てほしいですね。
――浦和のパスミスをシモビッチ選手が拾って、ドリブルで長い距離を運んで来たシーンですね。
遠藤 そうです。同数で攻め込まれたとき、どう守るのかですが、最初は和泉竜司選手がディフェンスラインに並んで、裏へ動き出しました。和泉選手がいちばん危ないから、まずは下がってケアをします。それからシモビッチ選手がフリーでドリブルして来るので、どこかのタイミングで止めなければいけません。
ペナルティーエリアの少し前まで、和泉選手と一緒に下がった後、シモビッチ選手がシュートモーションに入ったので、そこで寄せました。そのとき僕がファーのシュートコースを切って、GKの周作君(西川周作)にニアを任せます。これもグループ戦術ですね。
最終的にシモビッチ選手のシュートは左に外れたけど、自分と周作君が連係してコースを切ったからこそ、シモビッチ選手は難しいところをねらって外したのだと思います。
そのプレーの後、周作君が「ナイス航!」と言ってくれたけど、その「ナイス」は、僕がファーのコースを切っているから、GKがセーブしやすいということ。全部が全部、シュートを身体でブロックできるわけではないので、うまくGKと連係しながら守ることが大事ですね。