元代表ベラミー氏はイングランド戦を楽観視も初戦には不安視
ラグビーでの激突の場合を例外として、一般的にはイングランドとウェールズの対戦における敵対心はそこまで強いものではない。英国タブロイド紙の伝え方も、「バトル・オブ・ブリテン」の対戦相手を気楽に皮肉る程度のものを越えてはいない。例えば『サンデー・ミラー』の見出しは「イングランド対ベイル(申し訳ない、ウェールズという意味だ)」というものだった。
それでも、主要国際大会における両国史上初の対戦の時を迎えれば、やはり熱狂的な雰囲気となることは確かだと予想される。試合当日のランス中心街でアルコールの摂取が禁止されたこともそれを裏付けている。どちらのファンも選手たちも、敗れる側になりたいとは思わないはずだ。
とはいえサッカー的な観点では、両チームともにこの抽選結果にはそれなりに満足している様子だ。特に、このカードが第2節に行われるという日程にその理由がある。
大会参加国数が増加した影響で、グループステージ突破を確保するのはそう難しいことではなくなった。勝ち点4を獲得できれば16強進出にはおそらく十分だろう。イングランドとウェールズがそれぞれロシア、スロバキアとの初戦で望み通りの結果を出すことができれば、両者の対戦はどちらもドローで構わないという状況になる。
「イングランド戦では結果を出せる。本当にそう思っているよ」と、元ウェールズ代表FWクレイグ・ベラミーのコメントを『ウェールズ・オンライン』が伝えている。
「サイドバックが攻め込んできて、センターバックが上がってきたとすれば、我々にはその隙を突くことができる選手たちがいる。ガレス・ベイルのスピードがあれば、どんな相手も苦しめられることは間違いない」
「唯一不安なのはスロバキア戦だ。彼らの試合をいくつか観たが、引いて守るタイプのチームだということが分かる。ウェールズには、そういう相手を簡単に崩せるような攻撃はない」