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EURO2016 8年前

若きイングランド代表、EUROで描く“奇跡の1年”の続編。希望を抱く英国民、悲願達成の合言葉は「攻撃」

text by 山中忍 photo by Getty Images

攻撃が持ち味の顔ぶれ。守備には不安要素も?

ホジソン
イングランド代表のロイ・ホジソン監督【写真:Getty Images】

 予選終了時点では3トップが基本と思われたが、本大会では中盤がダイアモンド型の4-4-2システムが濃厚。指揮官は、プレミア得点王争いをトップ2で終えたばかりの両者を、マンUと代表の双方でキャプテンを務めるウェイン・ルーニーが背後で操る前線像を描いているようだ。

 MF陣も、4月に10ヶ月ぶりの戦線復帰という実戦不足でも中盤の策士として指揮官の信頼が厚いジャック・ウィルシャー、トッテナムとイングランドで往年の名手ポール・ガスコインと比較されるデレ・アリ、代表でスティーブン・ジェラードの後継者と目されるロス・バークリーなど、選ばれた8名中7名が攻撃を最大の持ち味とする顔ぶれだ。

「守高攻低」からの脱却というイングランド復興テーマもさることながら、チームの長所を生かすという現実的な観点からも妥当な判断だと言える。

 但し、その反動として守備面の心許なさは否めない。本職のボランチはエリック・ダイアーのみ。代表歴7試合の22歳がチームの陰のキーマンだ。その背後ではクリス・スモーリングがマンUでも最終ラインのリーダーとして成長を見せてはいる。

 しかし、CBコンビの相棒はガリー・ケイヒルかジョン・ストーンズ。それぞれチェルシーとエバートンで個人的にも不本意なシーズンを送った両者には自信の低下が心配される。

 加えて、ダニー・ローズとナサニエル・クラインが第1候補と思われる左右SBは、純粋なウィンガーがラヒーム・スターリングしかいないMF事情もあって、果敢なオーバーラップで攻撃に幅をもたらす働きも必須。チーム全体としては、失点を覚悟の上で敵に撃ち勝つ意識が必要となる。

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