デカい相手とどう対峙するのか。求められる判断力し
最終予選の相手で言えば、例えばオーストラリアは前線に空中戦を得意とするケーヒルがいて、ウイングにも高さとスピードを武器にする選手が揃う。
日本が速いパスワークとハイプレッシャーを押し出し、試合の主導権を握る時間帯が多かったとしても、一発のロングボールがおさまったところから一気にカウンターを受ければ、中盤の選手は40~50mを駆け戻る必要が生じる。
もちろんDFラインも下がりながらの“デュエル”を強いられる。それが1回なら何とか対応できても、二度、三度続くとかなり失点リスクは大きくなってしまうはずだ。
ハリルホジッチ監督が1年以上をかけて植え付けてきたテンポの速いサッカーによってインテンシティーのスタンダードは間違いなく過去のどの代表チームより引き上げられている。その中でも、試合によってどうゲームをコントロールしていくのか。
「一番がっかりしたのは、フランス語で“ナイーブ”というのだが、つまり馬鹿正直ということだ」
そう語る指揮官のもとで方向性に逆行するのではなく、それを活かすためにも90分をコントロールしていく判断力が求められる。それを今回の試合で経験した選手たちが改善していくのか、それとも新しい誰かが変えるのか。そこは最終予選に向けたメンバー選考を含め注視していく必要がある。
(取材・文:河治良幸)
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