内田篤人と遠藤保仁が担っていたこと
「(柏木)陽介くんも見られている選手だと思うし、選手は揃っている。ただ、監督が求めていることを僕らが忠実に体現しようとしすぎている。やろうとしていることを変えるのではなくて、やろうとしていることをうまく出せるように、自分たちが工夫していかないと、やっぱり監督自身も実際には90分このサッカーはできないって言っているから」
内田篤人の離脱はどうだろうか。酒井高徳にはチームのインテンシティーをなるべく長くできるように引き上げる部分と、ギアチェンジという相反する2つのことが求められている。
「いやほんと、その通り。そこを考えながら少し遅らせようとしたところで、自分が何回かどういうイメージで遅らせようと思った時にミスしてしまったりとかしていたので、それは良くなかった。
遅らせるというよりはリズムを作るイメージを持ちたくて。引き出して、また外に散らしてという、近場で回すようなテンポのいい回しをできた方が良かったのかなというイメージはあったんですけど」
チームの方向性やスタンダードを高めていくことは重要だが、今年の9月に最終予選がスタートし、ハリルホジッチ監督も警戒するUAEが初戦の相手になる。チーム作りの“第二段階”はベースの部分をさらに高めながらも、実戦的なゲームコントロールを取り入れていかなければ、最終予選を勝ち抜くことは難しくなってくる。
また、かなり高いテンションで来てくれたとはいえ、主力の大半を欠くボスニア・ヘルツェゴビナに今回のようなやられ方をしたということはこの方向性を進めていく中でも、国際的な指標として認識しておく必要がある。
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