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EURO2016 8年前

EURO開催国フランスのいま。テロへの警戒。厳戒態勢下でもファンゾーン設置の意義【現地レポート】

text by 小川由紀子 photo by Yukiko Ogawa

設置が決まったファンゾーン

1週間前のシャン・ド・マルス広場の様子
1週間前のシャン・ド・マルス広場の様子【写真:小川由紀子】

 大会期間中は世界中から約700万人の来訪者があるとの試算だが、ドイツなど近隣諸国のメディアには『セキュリティの問題だけかと思ったら、洪水にストライキ……現地に観戦に行くのはとりやめたほうが賢明だ』と書いているところもある。ユーロ開幕まで1週間を切った首都パリは、こんな混沌とした状態だ。

 しかし準備は着々と進んでいて、街中のカフェなどでも、各国国旗を飾ってEUROムードを演出しているところも見かけるようになってきた。

 そして昨年11月の同時テロ以降、セキュリティの問題で実施が危ぶまれていたファンゾーンも、予定どおりエッフェル塔の裾野に広がるシャン・ド・マルス広場に設置される。

 写真はちょうど1週間前の様子。囲いがしてあって中は見られなかったが、遠くからもジャイアントスクリーンが設置されているのが見える。まだトラックが行き来していていかにも「工事中」の光景ではあるが、エッフェル塔の股から覗くスクリーンを見て初めて、「本当にファンゾーンやるんだな」と実感した。

 90,000人を収容できるというこのファンゾーンは、サッカーグラウンドの約30倍という広大なスペースに、巨大スクリーンはもちろんのこと、サッカーゲームやショップ、フェイスペインティング、カラオケならぬ“オペラ・オケ”など、家族で楽しめるイベントが企画されている。飲食スペースも総面積10,000平方メートルと広く、世界各国料理のフードスタンドが出店する予定だ。

 夜には人気DJを招いて会場は巨大な野外クラブに様変わり。期間中はイギリスのロックバンドMUSEのコンサートなど、数々のサプライズ企画も仕込まれているそうだ。

 また、会場内では無料でWi-Fiにアクセスでき、主催者側は、来訪者にファンゾーンで楽しんでいる模様を積極的にSNSで拡散してもらうことを期待している。

 有名アーティストによるコンサート以外は入場無料なので、お天気が良ければ家族連れでのピクニックにも最適だ。

 ただ今回はセキュリティの関係で、持ち込み荷物には厳しい制限がある。まず飲食物の持ち込みは禁止。瓶・カン類に限らず、サンドイッチなども不可とされている。これまでのファンゾーン以上に会場内のフードスタンドを充実させているのはそのためだ。

 その他ヘルメット、大きなリュックサックはNG。ブブゼラなど大きな音のでるものや爆竹、政治的なメッセージを書いた横断幕などもダメ。ペットも禁止。また、会場には自転車やキックボードで乗りつけてはならない。

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