設置が決まったファンゾーン
大会期間中は世界中から約700万人の来訪者があるとの試算だが、ドイツなど近隣諸国のメディアには『セキュリティの問題だけかと思ったら、洪水にストライキ……現地に観戦に行くのはとりやめたほうが賢明だ』と書いているところもある。ユーロ開幕まで1週間を切った首都パリは、こんな混沌とした状態だ。
しかし準備は着々と進んでいて、街中のカフェなどでも、各国国旗を飾ってEUROムードを演出しているところも見かけるようになってきた。
そして昨年11月の同時テロ以降、セキュリティの問題で実施が危ぶまれていたファンゾーンも、予定どおりエッフェル塔の裾野に広がるシャン・ド・マルス広場に設置される。
写真はちょうど1週間前の様子。囲いがしてあって中は見られなかったが、遠くからもジャイアントスクリーンが設置されているのが見える。まだトラックが行き来していていかにも「工事中」の光景ではあるが、エッフェル塔の股から覗くスクリーンを見て初めて、「本当にファンゾーンやるんだな」と実感した。
90,000人を収容できるというこのファンゾーンは、サッカーグラウンドの約30倍という広大なスペースに、巨大スクリーンはもちろんのこと、サッカーゲームやショップ、フェイスペインティング、カラオケならぬ“オペラ・オケ”など、家族で楽しめるイベントが企画されている。飲食スペースも総面積10,000平方メートルと広く、世界各国料理のフードスタンドが出店する予定だ。
夜には人気DJを招いて会場は巨大な野外クラブに様変わり。期間中はイギリスのロックバンドMUSEのコンサートなど、数々のサプライズ企画も仕込まれているそうだ。
また、会場内では無料でWi-Fiにアクセスでき、主催者側は、来訪者にファンゾーンで楽しんでいる模様を積極的にSNSで拡散してもらうことを期待している。
有名アーティストによるコンサート以外は入場無料なので、お天気が良ければ家族連れでのピクニックにも最適だ。
ただ今回はセキュリティの関係で、持ち込み荷物には厳しい制限がある。まず飲食物の持ち込みは禁止。瓶・カン類に限らず、サンドイッチなども不可とされている。これまでのファンゾーン以上に会場内のフードスタンドを充実させているのはそのためだ。
その他ヘルメット、大きなリュックサックはNG。ブブゼラなど大きな音のでるものや爆竹、政治的なメッセージを書いた横断幕などもダメ。ペットも禁止。また、会場には自転車やキックボードで乗りつけてはならない。