レスター優勝に貢献した岡崎(上)とヴァーディー(下)【写真:Getty Images】
日本代表に帯同している岡崎慎司は6日、練習後の取材対応で移籍が噂されるレスターの同僚ジェイミー・ヴァーディーへの思いを語った。
奇跡とまで言われたプレミアリーグ制覇にゴール量産という形で大きく貢献したヴァーディーは、アーセナルへの移籍が間近と報じられている。岡崎にとっては2トップを組んだ相棒を失いかねない危機だ。
岡崎は「チームメイトとしては心強かったし、今年も残ってくれたらいい戦いができるのは間違いないと思う」とヴァーディーの存在の大きさを語る。
だが、同時に1人のプロサッカー選手として避けられない“移籍”というイベントに対し「人生の選択とか、サッカー選手としての選択はそれぞれだと思うし、いなくなればまた違う選手が出てくればいいだけの話」と理解を示した。
もちろんシーズン24得点を挙げたエースのヴァーディーが抜ければレスターにとって厳しいシーズンになることも承知している。今季は本来の力を出し切れなかったビッグクラブには地力で対抗できないと考えているからだ。
それでも「レスターでも優勝したし、アーセナルを優勝に導いたらもっと自分の価値が上がる」「ヴァーディーが決めることだと思うんで、僕は全く一切関係ない」と相棒の決断を尊重し、受け入れる姿勢を見せた。
そしてヴァーディーが今後もさらに活躍できることを信じて疑わない。移籍先の最有力候補とされるアーセナルはレスターと全く異なる特徴を持つチームだが、「(ヴァーディーは)どのスタイルにも合わせられる可能性を持ってると思う」と述べる。
1年間隣でプレーしたことでプレースタイルや特徴を完璧に理解している岡崎だからこそ、相棒の飛躍を確信している。
「ただ単に裏をとるのがあいつのよさじゃなくて、それを使い分けてるというか、僕だったらかなり準備して裏を狙ってるんですけど、あいつの場合はフラッとしておいて一瞬で裏とったりできるんで、どのスタイルにも合わせられる可能性は持っている」
果たしてヴァーディーのアーセナル移籍は決まってしまうのか。レスターは他の主力選手にも退団の噂が数多くあり、移籍市場開幕直後にして新シーズンに向けた正念場に立たされている。来季プレミアリーグ2年目を迎える岡崎にとっても心中穏やかではないだろう。
(取材:元川悦子)
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