想定内の日本と想定外のブルガリア。何を仕掛けたのか?
長谷部がボールを蹴ろうとした瞬間に小林が斜めに飛び出す動き出しをしたことで、相手のSBがさらに絞ったのだ。これによりボールを追いかける酒井宏樹にはDFラインの誰も行けず、ウィングのマルセリーニョが遅れて追いかける形となった。いわゆる“後手後手”である。
その結果、何が起きたかというと展開に合わせて中央から右に流れた香川がフリーで酒井宏樹のパスを受けることができたのだ。もっともこの流れはもともと想定したものだったという。
ここでクロスを上げず香川にバックパスを出した酒井宏樹は「(香川)真司くんからずっとそれは言われているので。自分が前を向いた時点で走ってくると。あそこはすごい共有できたと思いますし、DFラインも対応しにくいと思う」と語る。
そこから香川は手前に寄ってきた柏木陽介にバックパスを出し、ランゲロフのプレスバックを柏木が鮮やかなターンでかわしたところから、絶妙な浮き球のラストパスがライン裏の岡崎に合わせられたわけだが、その前の局面で日本と狙いとブルガリアの守備に大きな駆け引きの焦点があったのだ。