問われるDFの強度。序列崩れる可能性も
相手のカウンターが強力であれば、CBの対応も生命線になる。サイドを突かれても、そこで相手FWを自由にさせず、また対人戦で負けなければよほどのことでは失点しない。
ただ、3年前の試合では直接FKとセットプレーからのオウンゴールでやられており、より厳しい対応が求められてくる。森重真人は「セットプレーの守備というのは自分らにとっての弱点」と語る。
「平均身長を見ても相手の方が大きいというのはあるので、そこは注意深くやらないといけない」
振り返れば、3年前のブルガリア戦の時点でA代表に選ばれていなかった森重はその年の東アジアカップでアピールに成功して、代表定着につなげた経緯がある。今回はFC東京のチームメートである丸山祐市に加え、昌子源もCBの競争に加わってきた。こうした相手との対戦は特にDFの評価に直結し、1試合、2試合で序列が変わることもある。
「常にこのチームでは競争はありますし、自分自身もザックさんの時に入ってから、毎回毎回そういう気持ちでやっています。それは追う立場だろうが、追われる立場だろうが、そのポジションをしっかり自分が取るんだっていう思いを持つこと」
欧州基準のカウンターを誇るブルガリアに対し、日本のディフェンスがどう守って失点を防ぐのか。さらにセットプレーも含めて、これまでより厳しい相手に対してどういうパフォーマンスを見せるかで、最終予選に向けチームとしての自信も、個人としての評価も大きく変わりうる。その機会としてブルガリア戦から注目してほしい。
(取材・文:河治良幸【豊田】)
【了】