左サイドバックのスペシャリストを外して槙野を抜擢する理由
ハリルホジッチ監督は今回のキリンカップに向け、CBが本職の槙野智章を左SBで起用すると語っている。それはもしかしたら槙野の代表での特性をそう判断した事情もあるかもしれないが、太田宏介や藤春廣輝といったスペシャリストを外したことは注視すべき事実。
ハリルホジッチ監督は「彼らとコンタクトを取った。オフェンス面は素晴らしいがディフェンス面をもっとやってほしいと。そういうこともあって槙野を左サイドにした」と説明しており、キリンカップや最終予選でより守備が厳しくなる想定をしていることは明らかだ。
「監督の求めることの中で、今このチームのSBで呼ばれている選手に足りないものを槙野が持っているという部分で、それを出してほしいということを細かく話してもらいました」
ハリルホジッチ監督とのやりとりをそう語る槙野は「高さの部分、フィジカルの部分。守備は監督に非常に評価してもらっていますが、自分の良さもそこだと思っています」と左SBの選出も前向きにとらえている。
「シリア戦は勝ちましたけど、そのなかでもできていない時間帯について非常に厳しく言っていました」と振り返るが、ブルガリアの攻撃はより厳しいものになる。
おそらくブルガリアは守備時が4-4-2、攻撃時が4-2-3-1になる布陣。サイドのランゲロフとアレクサンドロフが縦に鋭く仕掛け、10番のポポフとブラジルから帰化したFWのマルセリーニョがゴール前のコンビネーションで崩しにかかってくる。
短い攻撃時間でも2次攻撃になるとディアコフやチョチェフが飛び出してくる。日本としては中盤でボールを失わないように攻撃を展開し、守備に転じたら高い位置からのチェックで左右の高い位置に縦パスを通さないディフェンスを心がけていきたいところだ。
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