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アトレティコ担当記者の悲哀。どうしても手が届かないCL。退職願に綴られた悲嘆

text by アルベルト・ロメロ・バルベーロ photo by Getty Images

リスボンでも、似たような書状を記していた

親愛なる編集長へ

 リスボンでも、似たような書状を記していた。セルヒオ・ラモスがその内容をすっかり無効としてしまう前までは。

 逸早く、二つの事柄を明確にしておこう。まず一つ目は、以前から自惚れている執筆者にとって、あの文章が完璧かつ濃厚、また情緒的であったと思えていたこと。

 そして、もっと重要な二つ目は、それが世間に出ないとはっきりした際、執筆者が葬ってしまったことである。机に置いたりファイルに挟んだり、つまり文章を残しておくこともできただろう。けれども、そうすることなく捨て去ってしまった。

 たとえ悲嘆に暮れようとも、それが心から書いたものへの誇らしさより重みを持つことはなかったのだから。そして「翌日にも太陽は昇り、人生は続いた。多くのことが意味もなく永らえているように、続いたのだった(※)」

 ここで明らかにしてしまおう。この書状は退職願である。リスボンの書状も同じだった。あのときにはアトレティコがチャンピオンズ王者になるという仮定で書き記していた。一方で、今はそうではないという事実とともに記しているが、世間に出すためにしたためている。

 是非などない。もう、いいのだ。リスボンのときと同じチームが、もう一度勝ってしまったのだから。どうして退職願なのかという理由は、書状の最後に署名をする人間が、あの光景を瞳に焼き付けた後、仕事に取り組み続ける動機を一つだって見つけられないからである。この3年間で二回目の決勝も、善良なるロヒブランコ(赤白)の人々から遠ざかっていき、流れるは悲しみの涙だ。

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