チームに穴はなし。再び義務付けられるタイトルへの挑戦
この苦しみから解放されるには、再びピッチで勝利を勝ち取らなければならない。そのためにも、まずはディエゴ・シメオネ監督の継続が絶対条件だろう。現在、アトレティコ・マドリーが世界屈指のクラブとして認識され始めたのは、何よりもシメオネ監督の手腕によるものである。
一部では退任の可能性も伝えられているが、それだけは何としても阻止しなければならない。
戦力面に関しては、現状でほぼ不満はない。各ポジションに優秀な選手を揃えており、ローテーションや負傷があっても耐えられる層の厚さもある。加えて、サウールやカラスコ、ビエット、ルーカス・エルナンデス、トーマス、オリベル・トーレスら将来性のある若手も多い。
あえて補強ポイントを挙げるなら、センターFWだろう。
今季、グリーズマンの相棒を務めるはずだったジャクソン・マルティネスは前述の通り、半年で放出。後半からはフェルナンド・トーレスが復活といえるパフォーマンスでリーグ戦11得点を記録し、チームを救った。
フェルナンド・トーレスは、チェルシーやミラン時代とは明らかに異なり、やる気に満ち溢れた表情でピッチ上を躍動。シメオネ監督のサッカーにもフィットし、何より精神面でクラブにも選手にもサポーターにとっても重要な存在であることを再確認させた。
しかし、そのフェルナンド・トーレスもミランからのレンタル期間が終了する。まずはこのベテランを完全移籍で取り戻すことが先決。その上で、再びワールドクラスのセンターFWを加えることができれば、チーム力はアップする。
リーガエスパニョーラで毎シーズン上位に位置し、CLでは過去3シーズンで2度の決勝進出。今や世界トップクラスのクラブとなったアトレティコにとって、来シーズンは再びタイトルへの挑戦が義務付けられる。
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