香川はなぜ清武の起用のメリットを強調するのか？
清武弘嗣【写真：Getty Images】
「キヨはドイツで調子がいいし、結果も残している。彼は味方を活かすことができて、アシスト能力もホントに高いものがある。キックの精度も含めてチームの武器になる。彼をうまく活かしながらやれれば、自分自身も含めて前の選手も活きるんじゃないかなと。それにキヨとは長年やっていますから、コンビネーションというメリットもありますからね。
そうやって僕らが新たなバリエーションを見せていくことで、チームの選手層が厚くなる。誰が出てもいい戦いができることを証明していかなきゃ、ホントに強い相手とは戦えない。W杯に行ってケガ人が出て何もできなかったんじゃ話にならないですから」（香川）
ただ、彼らが頭から横並びで出る場合、守備面は多少なりとも気がかりな部分が否めない。ハリルホジッチ監督も「2人を併用するには守備がよくなることが条件だ」と公言している。そのあたりは清武もさらなる改善の必要性を自覚している。
「それは今の監督になってから常に言われていること。デュエルや1対1、球際の激しさは、日ごろ練習からやっていかないといけないとは思っていますし、それを意識して練習している。それを僕と真司君ができるようになれば一緒に出られるチャンスは増えてくると思う」と彼は強調する。
香川と清武は同じトップ下タイプの選手で感性は似通っている。だが、プレースタイルは同じではない。よりゴールに近い位置で力を発揮する香川と、ボールの出し手となりチームを活性化させる清武。
“ダブルトップ下”の共存は、攻撃で新たな一面をもたらすことになる。指揮官は守備面の課題を指摘するが、その問題を解決できたとき、ハリルJは大きな進歩を遂げるはずだ。
（取材・文：元川悦子【豊田】）
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