清武が分析。ザック体制とハリル体制ではサイドの役割はどう違うのか?
実際、アフガニスタン戦・シリア戦ともに後半途中から清武が左、香川が真ん中という位置関係になり、2人の共演によって攻撃チャンスは確実に広がった。
香川との共存を、清武も熱望する。
「基本、同じ意識というか、イメージを持っている選手が真司君。そういう中でボールが出るところ、出すところっていうのは分かってはいるので、一緒に出られる試合は貴重。楽しみだし、そういう中で結果もほしいっていうのはあります」と彼は目を輝かせた。
振り返ってみると、清武が代表デビューした2011年8月の日韓戦(札幌)で、彼らは初舞台とは思えないほど息の合った連携を見せていた。アルベルト・ザッケローニ監督やサイドでコンビを組む内田篤人(シャルケ)に「お前はどんな選手なんだ」と聞かれた清武自身、「真司君のような選手です」と回答したほど、香川との似通った感性を実感していた。
その後、2人はトップ下に陣取った本田の左右のサイドでしばしば同じピッチに立ったが、トップ下と左サイドという関係はハリルホジッチ体制になってから。ザック時代と現在の左サイドの違いを、清武はこのように説明している。
「ザックさんの頃も左サイドはFWだけど、主に中盤の役割をやっていた。ハリルさんの場合はトップ下は中盤に含まれますけど、両サイドとFWは3トップというか、完全なFWですね。だから外にいる選手は背後の動きや、出して動くっていうのを求められる。時には中盤みたいな動きも必要だけど、その役割は大きくなったところですかね」
つまり、清武と香川がポジションを変えながら流動的に役割を入れ替えることで、2人はFWにもMFにもなれる。そういう臨機応変さは香川と宇佐美という組み合わせでは考えにくい。やはり香川・清武のコンビならではだ。香川をよりゴールに集中させる意味でも、清武の左サイド抜擢は有効だ。香川も可能性を感じている。