通訳と監督はお互いの理解が重要
―――ハリルホジッチさんの日本代表での通訳は樋渡群さんがやられていますね。樋渡さんは指導者をやられていて、すごく良い仕事をされていると思うんですが、樋渡さんが話している間にハリルホジッチさんが話し始めてしまうので、大変そうだなとも思えます。
あー、そうなんだ(笑)
―――通訳をやるにあたって、タイミングの取り方とか、そのあたりのコミュニケーションは難しいものなのでしょうか? 監督が熱くなってきて話し続けてしまうときもあると思うんですが。
僕は現場で樋渡さんの仕事を見たことがないからあまり語れないけど、なんとなくインタビューとかで彼らのコンビを見ていていいなと思うのは、僕とトルシエさんのときもそうだったんですが、お互いにすごくわかっている。
僕もトルシエさんのときに経験したんですが、ある程度1分くらい止まらずに喋っていることがありますよね。でも言うことはわかっている。僕の仕事は字幕をつけるような感じ。全部聞いて直訳するんじゃなくて、トルシエさんが言っているのはこういうメッセージだなと把握して、そのエッセンスを訳す。そして少し集中して、思っていたことと違う場合はアレンジする。
僕もはじめのうちはトルシエさんが言っていることをわーって訳してたら、僕の訳が終わっていないのにトルシエさんが話し始めちゃって大変でした。でも慣れてくると、フィルターをうまくかけて、指示はどこにいくって大体予測できるから、逆に先に言ったりとか。そこは色んな技があります。